物流センターとは?~TC・DC・FCってなに?~
「物流センター」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
漠然と「荷物を預かってくれる倉庫」と思われる方も多いのではないでしょうか。
今回は「物流センター」の役割と分類について、掘り下げてみます。
そもそも物流センターってなに?どんなことをするの?
物流センターの話に入る前に、物流の役割についておさらいしておきましょう。
物流の役割とは、一般的に 保管・荷役・包装・流通加工・情報管理・輸配送と言われています。
それぞれの役割の内容は以下の通りです。
① |
「保管」 |
商品を出荷するまでに施設内で棚やラックなどを利用し、適切に在庫管理すること |
② |
「荷役」 |
ピッキング、配送先別の仕分けなど入出荷に関わる作業 |
③ |
「包装」 |
商品を保護するための梱包作業 |
④ |
「流通加工」 |
値札などのラベル貼付、ギフト用のラッピング、セット組みなどの加工作業 |
⑤ |
「輸配送」 |
保管している商品を、指定の場所や店舗、購買者のもとに配送すること |
⑥ |
「情報管理」 |
物が入庫されてから出庫されるまでの過程で発生する、 さまざまな情報(データ)を正確に把握し、管理すること |
物流センターは、これらの役割を持った施設で、
その役割の内容から、企業経営にとっても重要な施設と言えるのではないでしょうか。
そして、その役割をただ果たすだけではなく、センターによっては 様々な工夫を凝らし
機能性を高めることで、納品リードタイムの短縮や商品管理精度の向上、
トータルコストの削減などといったメリットを生みだすことがあるのです。
▼関連記事:物流センターについて考える
知らなかった?!物流センターの分類
さて、そんな重要な役割を担う物流センターですが、以下3つに分類されていることをご存知でしょうか。
1.DC(ディストリビューションセンター)
2.TC(トランスファーセンター)
3.FC(フルフィルメントセンター)
略 |
名称 |
メリット |
デメリット |
DC |
ディストリビューションセンター Distribution Center |
在庫を持っているため、急な発注や 大口出荷にも対応できる |
在庫が余ってしまうリスクがある。 設備など大きな初期投資が 必要となる場合がある。 |
TC |
トランスファーセンター |
在庫保管が発生しないため、 保管コストが削減できる |
在庫していないため、 商品の過不足・不備があった場合、 予定通りに出荷できない リスクがある |
FC |
フルフィルメントセンター Fulfillment Center |
受注管理、顧客データ管理、 発送業務、返品、クレーム対応、 決済処理まですべて完結できる |
委託先業者によっては、 リアルタイムで在庫数量や 商品状態の確認ができない |
立地による物流センターの分類
物流センターは、その立地がリードタイムに影響を与え、サービスやコストの優位性も変わることから、
■生産地/製造場所に近い場合を「生産立地型」
■消費者の場所に近い場合を「消費立地型」
と分類されることもあります。
鈴与では、お客様の入出荷情報を分析し、全国145ヶ所の物流センターの中から
お客様にとって最適な立地での物流センターをご提案することができます。
▼関連記事:物流拠点の見直しでコスト削減!倉庫の最適立地とは?
当社物流センターでは「保管」だけでなく、様々な種類の流通加工への対応や
効率的な作業を行うためのロボティクス導入など、日々進化を続けています。
そして、DC・TC・FC、多種多様な業界のお客様の商材、販路にあった物流センター運営をしています。
3PLってなに?フルフィルメントとの違いは?
「3PL」という言葉をご存知でしょうか?当社HPのタイトルにもなっていますが、改めてその意味や導入のメリット、
また3PLと同様によく使われる物流用語「フルフィルメント」との違いを取り上げてみたいと思います。
3PLってなに?
3PLとは、3rd Party Logistics(サード・パーティー・ロジスティクス)の略称で、
顧客サービスの向上や物流関連コストの削減を目的として、物流業務を外部の専門業者に委託する企業戦略のことで、
そのようなサービスを提供する企業を3PL事業者といいます。
単純に物流業務をアウトソースするだけではなく、3PL事業者が荷主企業の立場にたって、
物流全体の効率化・コスト削減を図るために、物流フロー全体を設計し、長期的な契約下で運営・管理していくことが
3PLの特徴です。
3PL導入の最大のメリットは、物流業務を専門のノウハウを持った事業者に委託することで、
自社の貴重なリソースをコアビジネスに集中させ、その結果、商品やサービスの品質向上、
事業拡大に結びつけることといえます。
◆3rd Party Logisticsの構成者
1st Party Logistics 荷主 例)メーカー、卸、小売り業などの販売事業者
2nd Party Logistics 物流事業者 例)運送会社や宅配業者
3rd Party Logistics 3PL事業者 例)鈴与などの3PL事業者
3PL事業者の種類にはなにがあるの?
3PL事業者には、自社で運送用車両や倉庫などの物流機能という資産を持ってサービスを提供する「アセット型」事業者と、
自社でこれらの資産を持たないで外部業者に委託し、業務分担を行ってサービスを提供する「ノンアセット型」事業者の
二つがあります。
「アセット型」事業者は、人材も物流設備も自社で保有しているため、物流波動への対応力があったり、教育体制を整えたり、
現場での改善をより迅速に行うことが出来る点が大きなメリットです。
一方、「ノンアセット型」事業者は、自社のアセットにとらわれずに外部業者を選択することで、
荷主の要望へ柔軟に対応することがメリットといえます。
3PLサービスを導入することにおける注意点とは?
3PL事業者を選定するにあたり、単純な料金比較だけで決めるのではなく、以下のポイントを検討項目として
頂けるといいと思います。一番大事なことは、自社のビジネスを成功させるためには、
どのような物流体制が適するのか、範囲や目的などの方針を明確化したうえで選定することが重要です。
- サービス品質
ロジスティクスは、長期的に運用するものであり、事業拡大を支えるための重要なポイントであるため、
短期的な月額の作業単価の比較だけでなく、品質の高いサービスを安定して提供する事業者を選ぶとよいかと思います。
現場の安全を維持するための取り組みや従業員の教育体制が整っていることなどがポイントとして挙げられます。
- 現場力
事業拡大への対応力の観点で、3PL事業者の保有する拠点数・トラック数など会社規模も判断基準となります。
また、請け負うことができる作業範囲に、商品の入出荷保管以外にも、セット加工などの商品の付加価値を高める業務の
対応可否や、食品・化粧品・医薬品等の特殊なライセンス対応可否もポイントとなります。
▼流通加工のアウトソース!業務負荷軽減&顧客満足度UPをねらいませんか?
- 情報システム
物流業務を支えているのは倉庫や配送車両などのハード面だけではなく、システム面も不可欠な存在です。
3PL事業者の提供する在庫管理システム(入出庫・ロット管理など)や基幹システムとの連携、
業務における機器連携の提供ができるかといった点を確認すべきでしょう。
- 提案力
日々の物流業務を正確に遂行するだけでなく、継続的な業務改善を提供してくれるコンサルティング能力の高い
事業者であることも重要な視点です。
従来の3PLにコンサル機能を付加したサービスを「4PL」と呼ぶ場合があり、今後さらに普及していくと考えられています。
3PLとフルフィルメンの違いとは?
英語のフルフィルメント(fulfillment)は「実現」「遂行」「達成」という意味をもちます。
EC業界においては、「商品の受注から入金管理に至るまでの一連の業務全般」をさすマーケティング用語として
使われるようになりました。
3PLとフルフィルメントとの違いは、外注する業務範囲です。3PLは物流に関わる業務をアウトソーシングするのに
限定しているのに対し、フルフィルメントはECにおける受注から決済にいたるまでのバックヤード業務全般を指し、
ECサイト制作やコールセンター業務も含まれる点が具体的な相違点となっています。
フルフィルメントサービスについては、こちらでより詳細にご説明していますので、ぜひご確認ください!
▼通販に欠かせないフルフィルメントサービスを活用しませんか?
発送代行「H貼り」と「Ⅰ貼り」で梱包を工夫!
今回は倉庫での梱包作業についてご紹介します。
皆さま「H貼り(えいちばり)」、「Ⅰ貼り(あいばり)」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
多くの方が耳慣れない物流用語かと思いますが、言葉から何となく想像できますでしょうか。
段ボールにテープを貼るときの貼り方のことを指します。
倉庫では荷物を発送する際に段ボールを組立て、商品を詰めていきますが、段ボールにテープを貼るのに
「H貼り」と「I貼り」の方法があります。
H貼りは真ん中と両端をテープで留めるので、アルファベットのHに見えますね!
重量のある商品を詰める場合に適しています。
H貼りに対してテープ1本で留めるものをⅠ貼りと言います。
こちらは強度が落ちますが、手間が掛らない分作業効率は上がり、テープ代も抑えられます。
もちろんワンタッチ式のようにテープ留めが不要な段ボールの方が作業効率は上がります。
鈴与では梱包資材はもちろんテープの留め方、種類までお客様の商品特性に合った方法をご提案をさせて頂いています。
通販で発送する際はテープを使わない段ボール仕様や梱包テープにロゴなどのデザインを入れるなどの工夫をされるケースもでています。
発送する段ボールや梱包方法もお客様が手元に届いてから受ける印象が違ってきます。まさに通販フルフィルメントサービスとして必要となります。
鈴与ではECシステムやコールセンターのご紹介もさせて頂いております。
ロジスティクスと物流の違いとは?
「ロジスティクス」という言葉を見たり、聞いたりすることはありますでしょうか?
「物流」と同じ意味で使っている方も多いかもしれませんが、改めてその言葉の意味に加えて、
ロジスティクスの目的や効果をご紹介していきます。
1.「物流」ってなに?
物流とは、英語でPhysical Distributionと言います。商品が生産者から消費者へ届く
「モノの流れ」の過程の活動を指し、「保管・輸送・荷役・包装・流通加工・情報管理」の
6つの機能を総合的に管理する活動となります。
◎物流の6つの機能
「保管」生産された商品が消費者へ届くまでのギャップを埋めるため、倉庫で商品を一旦預かること。
「輸送」商品を消費者へ届けること。輸送方法は、鉄道、トラック、船、飛行機などさまざま。
「荷役」生産された商品を倉庫に入荷して、倉庫内で仕分けや出荷をする作業。
「包装」商品を運ぶ際に、衝撃や汚れなどから保護するために倉庫で梱包する作業。
「流通加工」物流センターで商品にラベル貼りやセット組みなどの作業を施すこと。
「情報管理」モノの流れをシステムを利用して管理、サポートすること。
2.「ロジスティクス」ってなに?
ロジスティクスとは、英語ではその名の通り、ロジスティクス(Logistics)と言います。
ロジスティクスについて考えたとき、サプライヤー、流通チャネル、3PL業者、顧客など
あらゆる関係者が含まれます。調達・生産・販売・回収などサプライチェーン全体にわたる
「モノの流れ」の全体的な計画と管理の適正化を図るとともに顧客満足度を考慮しなければ
なりません。また、環境保全や安全対策など社会的課題への対応までを加味する場合もあります。
元々ロジスティクスは軍事用語で、後方から前線の部隊に武器、弾丸、水、食料、医薬品などを
補給する後方支援活動を意味していました。ロジスティクスの考え方を導入することで、
広範囲の物流と生産計画を管理するため、需要と供給を考慮した適切在庫の保持が実現化し、
顧客を満足させる対応が可能となります。
このように、物流は「活動」であり、ロジスティクスは「戦略的な経営管理」であると言えます。
そういう意味では物流はロジスティクスの一部として考えられるでしょう。
鈴与は3PL業者として、全国120ヶ所の物流センターにおいて、入出荷作業、加工作業などの
高品質な庫内オペレーション、配送手配にいたるまで一貫したサービスを提供します。
▼鈴与の物流サービス一覧
3.ロジスティクスの効果とは?
ロジスティクスによって得られる効果は、主に①「品切れ防止」②「在庫の適正化」③「物流の効率化」があげられます。
①「品切れ防止」
商品の原材料を計画的に調達し、生産計画を確実に進めることで、在庫不足による
機会損失を未然に防ぐことが可能となります。
②「在庫の適正化」
新しい商品を次々と展開する昨今では、過剰な在庫を抱えることはリスクとなります。
需要と供給のバランスを注視し、それを生産計画にも反映させる必要があります。
③「物流の効率化」
生産から消費までの全体最適を考えると、物流拠点の見直しや、輸送効率を再検討する
必要が生じ、保管費用や輸送コストの削減に繋がります。
上記の3つの効果が達成すると、結果として全体の物流コストの削減が可能となります。
鈴与は、様々な業種のお客様の物流課題にソリューションを提供し、全体最適化を図ってきました。
ぜひその事例をご覧ください。
このように、ロジスティクスの考え方を導入することで、原材料の管理、生産数の把握によって
適切な在庫数を保持できるようになり、欠品のリスクを低減し、売上を上げることが可能となります。
また、在庫の適正化によって無駄な生産がなくなれば、人件費や配送費などの全体的な物流コストの削減に
つながります。
鈴与は日本全国、海外に倉庫ネットワークを構えております。
ご興味ある方はまずはお気軽にお問い合わせフォームまたは、お電話(03-6404-8989)にて
お問い合わせください。
弊社サービスの詳しいご案内させていただきます。
美味しいものを美味しく保管!倉庫の温度管理とは?
暖かい季節になりますと、アイスクリームやビールなど、冷たいものを美味しく楽しめるようになりますね。
今回は、そんな食品の鮮度を保ったり、健康食品・化粧品を適した温度で
管理したりするための倉庫の温度管理についてご紹介していきます。
ぜひ、一度お問合せください!
倉庫の温度管理「3温度帯」「4温度帯」とは?
通販で商品を注文し、配達されてきた商品に「何℃以下で保存」「常温で保存」といった
温度指定の表記が記載されているのを見たことがあるでしょうか?
このような商品は、手元に届くまでの保管・配送時にも、指定に反しない適切な温度で管理がされています。
倉庫での温度管理のための基準として、「3温度帯」「4温度帯」と呼ばれる区分方法があります。
3温度帯とは、常温、冷蔵、冷凍の三つの温度帯、それに定温を加えた区分方法が4温度帯となります。
各区分の温度基準やその特徴、保管品の例は次の通りです。
各温度帯の特徴と適する保管品は?
◆常温(ドライ):温度変化によって状態が変わることのないもの
温度:+10〜+15(もしくは+20)℃
ex)紙製品、金属製品、建築資材
◆冷蔵(チルド):温度変化や湿度によるサビや結露から守る必要があるもの
温度:-18〜+10℃
ex)食品、医薬品、精密機器
◆冷凍(フローズン):超低温保存が必要なもの、鮮度が必要なもの
温度:-18℃以下
ex)冷凍食品、加工前後の畜産物、水産物
◆定温:一定の温度で保つ必要があるもの
温度:+10〜+20℃
ex)食品、化粧品、医薬品
温度管理をしている倉庫では、具体的にはどのよう方法で温度管理がされているのでしょうか?
鈴与は、“ファインワイン物流センター”という、ワイン専用の定温倉庫を運営しています。
150社以上のお客様と取引実績があり、ワインの取扱、保管方法を熟知しております!
ぜひ、一度お問合せください!
ワインの定温倉庫ではどのような工夫がされているの?
ここではデリケートな取扱が必要となるワインの定温倉庫を例にあげてみましょう。
ワインは、一般的に14℃での管理が最適温度と言われております。
ワインの定温倉庫では、シートダクトという空調で倉庫全体をムラなく保冷したり、
ドッグシェルターという入出庫口で、倉庫とトラックの隙間が空かないように商品の搬出入をして、
倉庫内の温度が一定に保てるようにしています。
温度管理が必要な商品に最適な倉庫とは?
このように温度管理が必要な商品の品質を保つためには、温度調節が必要かどうかを検討する必要があります。
一方で、温度管理がされている倉庫では維持管理のためにコストが発生するため、利用時に注意が必要です。
そのため、物流拠点を検討する際には調達先や納品先の立地から、
最適なエリアで物流拠点を構えることが物流の最適化を考える上で重要な要素のひとつとなります。
鈴与は、日本全国、海外に倉庫ネットワークを構えており、お客様にとって最適な物流センターの立地をご提案します。
ご興味ある方はまずはお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話(03-6404-8989)にてお問い合わせください。
弊社サービスの詳しいご案内をさせていただきます。
▼関連ページ