
今さら聞けない?!「化粧品GMP」とは?
2020年12月23日
「化粧品GMP」という言葉をご存知でしょうか?
今回は化粧品GMPの意味や内容、鈴与が取り入れている化粧品GMPについて取り上げたいと思います。
GMPとは
GMPとは、「Good Manufacturing Practice」の略称で、日本語では「適正製造基準」と訳されます。
日本においては、医薬品医療機器等法に基づいて厚生労働大臣が定めた、医薬品等の品質管理基準をさします。
製造する過程において、誰がいつ作業しても同じ高い品質の製品を提供する必要があります。
GMPの三原則
GMPを理解するうえで重要な考え方として「GMPの三原則」があります。
- 『間違い防止』 人為的な誤りを最小限にすること
- 『品質劣化防止』 汚染及び品質低下を防止すること
- 『高品質を保証するシステム構築』 高い品質を保証するシステムを設計すること
これら三原則のもと、手順の文書化、構造施設・機器・原料・包装資材の衛生管理、従業員の健康管理・教育、
是正を含めた再発防止システムの構築といったあらゆるものの取り扱いや実施方法を定め、安定した品質の
製品供給や、それらを取扱う人材を育成するためのルールを定めています。
化粧品GMPとは
日本においては化粧品GMPという化粧品製造に関する指針(規格、ルール、認証)があります。
これは、日本化粧品工業連合会の自主基準であり、国際規格であるISO22716に則って制定されたものです。
化粧品GMPの適用製品は、化粧品・医薬部外品(新指定・新範囲医薬部外品を除く)・口中清涼剤
・殺虫剤(忌避剤を除く)・殺そ剤・衛生用綿類が挙げられます。
医薬品GMPはGMP省令を遵守することが定められているのに対し、化粧品GMPはあくまで自主基準であり、
化粧品製造にあたり医薬品GMPに準拠して作成されたものとなります。
ISO22716に則った化粧品GMPの要求事項
化粧品GMP(ISO22716)を取得するためには、以下の要求項目を満たす必要があります。
ISO22716は認定機関に認められた認証制度に拠るものではなく、民間の監査機関が自主的に認証しており、
化粧品業界に特化した『プライベート認証』となります。
対象プロセス:化粧品の生産、保管、出荷
*研究・開発行為、最終製品の物流は適用外
要求事項:17つの要求規格から構成されており、「構造設備」要求があるのが特徴的です。
「生産現場の適正、有効性の向上検証」「製品の品質向上」を重視しています。
1.適用範囲/2.用語及び定義/3.従業員/4.構造設備/5.機器/6.原材料及び包装材料/7.生産
8.最終製品/9.品質管理試験室/10.規格外品の処理/11.廃棄物/12.委託/13.逸脱/
14.苦情及び回収/15.変更管理/16.内部監査/17.文書化
鈴与の化粧品GMPの取り組み
鈴与は、全国4ヶ所で化粧品・医薬部外品製造業許可(包装・表示・保管区分)を取得しており、
化粧品の受入検査から、法定表示ラベル貼付、ロット印字、セット組みなどの製造を行っています。
鈴与社内の取り組みとして、化粧品GMPに則った管理基準・手順書の制定や内部監査の実施し、
継続的な改善活動を行っています。化粧品GMPを取り入れるメリットとして、以下のことがあげられます。
- 安定した製品の提供
化粧品GMPに沿って作成した手順書による教育を実施しており、安定した品質での作業をご提供します。
- スムーズな監査等の対応
化粧品GMPに適合していることで、保健機関からの監査や法定点検がスムーズに受けられます。